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執筆者の写真光雲神社の神主

鳥居について

更新日:2022年4月13日

鳥居は神社では必ずと言っていいほどあります。

鳥居は神社を表示し、また神社の神聖さを象徴する建造物であり、神社の内と外を分ける境に立てられ、御神域と外を区切り御神域を護る役割もあるとされます。

その為、本来、参拝する際は、『鳥居をくぐる前に一礼し、帰りの際も鳥居をくぐってから、振り向いて再び一礼する』ことがひとつのマナーと言われております。


ただし、中にはいくつもの鳥居が建立された神社も少なくありません。その場合は、手水舎に近いものの前で一礼をします。


理由は、手水舎は「ケガレ」を払う場所であるため、より神域に近い場所とされるためとも言われます。


神社によっては、複数の鳥居があったり、鳥居ではなくお寺のような門がある所、鳥居がない神社もあります。


複数の鳥居がある神社では、一般的には、本殿から遠いところ(参道の入り口)にある鳥居を「一の鳥居」といい、本殿に近づくに従い、「二の鳥居」、「三の鳥居」・・・と呼んでいます。


神様は穢れを嫌うので、鳥居をくぐることで、知らない間に付いている悪い運気を浄化させる(穢れを祓う)ことができます。


光雲神社もそうですが、神社によっては駐車場が本殿近くにあったりして、鳥居から入らずに直で本殿拝殿に行ってしまいがちですが、穢れを祓ってもらうためにも鳥居から入るようにするのがオススメですよ。


ただ、当社は一の鳥居が本殿から数百メートル下った遠い所にあるので、大変なこともあるかと思います。


そのような時は、せめて本殿近くの二の鳥居でも良いので、必ず鳥居をくぐってからお参りするようにしてみてください。




「古事記」にも記録のある神話の結界


◆鳥居の由来について

鳥居の由来には諸説ありますが、奈良時代の712年に編纂された日本最古の歴史書である『古事記』の神話部分にも鳥居の由来を求めることが出来ます。


「天岩戸伝承」で、天照大神(あまてらすおおみかみ)を天岩戸から誘い出すために鳴かせた「常世の長鳴鳥(とこよのながなきどり)」と呼ばれる(鶏)にちなみ、『神前に鶏の止まり木を置いたこと』が鳥居の起源とされるものです。


天照大神を無事に天岩戸の外に出すことに成功しましたが、この時に神々が行った祭祀の模様は『古事記』に詳しく描かれていて、現在でも伊勢神宮(三重県伊勢市)ご神体としてお祀りする「八咫の鏡(やたのかがみ)」や三種の神器にもある「八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)」、それに神社に必ず見かける「注連縄(しめなわ)」なども「天岩戸伝承」由来のものであるとされるので、この「鳥居」に関しても有力な説といえるでしょう。


天岩戸での神話由来である「鶏の止まり木」を意味する「鶏居」を語源とする説やインド仏教にみられる「トラナ」と呼ばれる門や中国にみられる建築シンボルの一つである「華表(かひょう)」、そして、「牌楼(ぱいろう)」と呼ばれる門のほか、朝鮮の「紅箭門(こうぜんもん)」といった海外の建築物にその起源を求める説があります。



◆神聖な鳥について

日本において古代から神聖視されていた動物は「鳥」でした。


その理由は人の魂を神の世界に届ける役割を持っているとされてきたからですが、古代中国大陸では「日鳥」や「火鳥」、「金烏」と言われる三本足の鳥が太陽を生み出したり、運んでくると考えられていて、陰陽五行説では偶数を陰、奇数を陽とし、「3本足の鳥」は陽となり、死者の魂だけではなく太陽ともつながりがあるとされます。


前述の「常世の長鳴鳥」以外にも「鳥」は多くの場面で見られ、神武天皇の東征で活躍した八咫烏(やたがらす)も、金鵄(きんし)も「鳥」であり、神域の結界を成す鳥居に「鳥」の字が入っている事は、古代人が神聖視してきた名残であるともされます。


これが鳥の神聖視されてきた理由ですが、鳥居の語源とされるものは他に「とおりいる(通り入る)」という言葉が転じたとする説、インド仏教の「トラナ」を漢字から借音し表記したとする説など諸説あります。





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