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執筆者の写真光雲神社の神主

アマテラス(天照大神)

更新日:4月12日


アマテラス

日本神話に登場するアマテラスは、イザナギが禊(みそぎ)をし左目を洗った時に生まれた太陽神であり、皇室の祖神であります。

禊とは清流で穢(けが)れを洗い流す神聖な行為で、同じように生まれた神々として鼻を洗った際に産まれたスサノオ、右目を洗った際に産まれた月の神ツクヨミがいます。



  目次




記紀神話において

日本神話における最高神アマテラスは太陽神として知られていますが、実はその他にも様々な神格や伝説を持っています。そんなアマテラスの魅力に迫ってみましょう。 #アマテラスの誕生と高天原の支配 黄泉の国から帰って来たイザナギが禊(みそぎ/清流で身を清める事)によって多くの神々が生まれました。

その禊の際に左目から生まれた女神がアマテラスです。イザナギはアマテラスを最も貴い神として、高天原の統治を命じました。高天原とは天上の世界で、神々が住んでいる場所です。 アマテラスは高天原の主神として、太陽の光をもたらし、大地の豊穣を司りました。また、皇室の祖神としても崇められました。初代天皇である神武天皇はアマテラスの孫のひ孫にあたります。 #アマテラスとスサノオの関係 アマテラスには弟神が二人います。一人はツクヨミ(月読命)で、月の神です。もう一人はスサノオ(建速須佐之男命)で、海や嵐の神とされる荒神です。 スサノオは高天原で暴れ回り、機織りの女神がいた織小屋に馬を投げ入れて殺したり、御殿を汚したり非道を尽くしました。これに怒ったアマテラスは天岩戸という洞窟に隠れてしまい、世界は闇に覆われてしまいました。 他の神々はどうにかしてアマテラスを岩戸から出そうと考えました。

そして、洞窟の前に鏡や宝物を置き、アメノウズメ(天宇受売命)が裸踊りをして盛り上げ「アマテラス様より尊い太陽神が現れました。」と言いました。その騒ぎに興味を持ったアマテラスが少し岩戸を開け覗き込むと、鏡に映った自分の姿に驚き、さらに岩戸を開くと、その隙に力自慢のアメノタヂカラオ(天手力男命)が岩戸を引き開けて戸を自慢の剛力で投げ飛ばしてしまいました。こうして太陽は元通りに輝き始めました。 この神話は太陽の運行や季節の変化を表していると考えられています。また、アマテラスは機織りの神との関係も描かれており、農耕民族の大地母神としての側面以外も持っていると言われています。 #アマテラスに関する諸説 アマテラスは日本神話における解釈には様々な説があります。ここではいくつかの代表的な説を紹介します。 - 男神説:アマテラスは本来は男神であり、女帝の推古天皇や持統天皇の影響で女神とされたという説です。この説は古代中国の文献に出てくる東海の島に住む太陽神の母である羲和(ぎか)とアマテラスを結びつけたりしています。

- 卑弥呼説:アマテラスは古代日本にあった邪馬台国の女王である卑弥呼であったという説です。この説は卑弥呼が太陽信仰を行っていたことや、卑弥呼が天皇家の先祖である可能性を指摘しています。

- 太陽神ではない説:アマテラスは太陽神ではなく、太陽を象徴する神であるという説です。この説は太陽神は男性的な性質を持つことや、日本には他にも太陽神が存在することを指摘しています。

#アマテラスを祀る伊勢神宮 アマテラスを祀る最も有名な神社といえば三重県伊勢市にある伊勢神宮です。

伊勢神宮は内宮と外宮からなり、内宮がアマテラス、外宮がトヨウケヒメ(豊受大神)をそれぞれお祀りされています。 伊勢神宮では20年ごとに「式年遷宮(しきねんせんぐう)」という儀式が行われます。


これは新しい社殿を建てて旧社殿から御神体や御装束などを移す儀式で、1400年前の古代から続く伝統であり、自然と人間の生命力の循環や衰えないことの象徴とされる常若(とこわか)の精神を表しています。


伊勢神宮内宮が伊勢に遷座したのは2000年ほど前といわれ、当初アマテラスは第10代崇神天皇の時代まで天皇と「同床共殿」で皇居内に祀られていました。


しかし、国民が悉く倒れた疫病の蔓延などの社会不安もあり「同床共殿」を恐れた崇神天皇が皇女・豊鋤入姫命(トヨスキイリヒメノミコト)にその神霊を託して倭国笠縫邑磯城の厳橿の本に「磯堅城の神籬」を立てたことに始まり、更に理想的な鎮座地を求めて各地を転々と巡幸することに。

代1代垂仁天皇の第四皇女・倭姫命(ヤマトヒメノミコト)がこれを引き継いで、およそ90年をかけて現在地に遷座したとされます。


遷座の経緯について『古事記』には記載がありませんが、『日本書紀』、『皇太神宮儀式帳』、『神道五部書』の一書である『倭姫命世記』において記されています。


外宮のご祭神であるトヨウケヒメは、『古事記』『日本書紀』に遷座の記載はありませんが、『止由気宮儀式帳』や『倭姫命世記』によれば、第21代雄略天皇の時代にアマテラスが神託を天皇に授け、トヨウケヒメを丹波国(丹後国/現在の京都府北部)から遷座したと伝えられています。


皇居から伊勢に行きつくまでの各地を巡幸された一時的な遷座地を元伊勢といい、元伊勢伝承は『皇太神宮儀式帳』・『止由氣宮儀式帳』や、『古語拾遺』、『延喜式』などに言及があります。

有名な元伊勢と呼ばれる神社に、檜原神社(奈良県桜井市)、皇大神社(京都府福知山市)、籠神社(京都府宮津市)がありますが、他にも20社以上の候補地が近畿地方を中心に点在しています。


#和魂と荒魂 日本の八百万の神々は古来より自然の様々なところに宿っていると考えられていて、風の神は空気を淀ませないように風を吹かせる一方で、台風を起こす強い一面もあります。


また、海の神は私たちに豊富な海産物の恵みを与える一方で、津波などによる大災害をもたらします。


日本において神様とは恵みを与える「和魂(にぎみたま)」と、災いをもたらす「荒魂(あらにたま)」この反する二面性が混在し敬ってきました。


アマテラスの別名「大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)」は太陽に仕える尊い巫女を神格化した名前、あるいは太陽そのものの神格化と読めます。


太陽も無論良い面ばかりではなく、紫外線は浴びすぎると皮膚がんになる恐れもありますし、大気の無い宇宙空間で、直接太陽光線を浴びる事は生命にとってはかなりのリスクです。


地球に降り注ぐ太陽のエネルギーは1秒あたり約42兆キロカロリー。


これは全世界で1秒間に使われているエネルギー(石油や電気)の20,000倍以上という途方も無い数値で、この膨大な太陽光エネルギーを仮に100%変換出来たとすると、地球上の年間エネルギー消費量をわずか45分でまかなうことが出来る計算になります。



この様に太陽が、地球の自然界全てを司って余り有るほどのエネルギーを持った有難い存在であるということは、逆に自然界に様々な災いが起きた時、太陽神アマテラスの荒魂だと捉えることが出来ます。


天皇家は代々この尊く偉大なアマテラスを祀り、国民の繁栄と世界平和を祈願してこられました。



『日本書紀』によると、アマテラスが、高天原(天界)から葦原中国(地上)へ降り立つニニギノミコトに命じた三大神勅があります。


その一つが「宝鏡奉斎の神勅(ほうきょうほうさいのしんちょく)」


アマテラスは鏡を渡し「この鏡を私だと思って祀りなさい。そして自分を映し、自省しなさい。

もし、私欲により民を苦しめるような『我』が映ったならば、その『我』を取り除きなさい。」そう伝えました。

こうして、アマテラスの御魂代の神鏡を祀り感謝を届け、新たな決意を行い、最後に祈願する。


これが神社奉斎の原点と言えます。


正しい参拝とは、最初に「感謝」し、そして「決意」し、最後に「祈願」となり、

このアマテラスの神勅の通りに天皇陛下は、皇居の宮中三殿にて年間20回以上の祭祀を執り行い、国民の繁栄と世界平和を祈っています。


何事もなく平和に過ごせることへの感謝と、この国の君主である自覚のもとに、民の繁栄を祈願されているのです。




アマテラス
アマテラス浮世絵

アマテラス イラスト:アートモチダダイスケ



アマテラスの相関図
アマテラス相関図
アマテラス相関図



【神格】

太陽神

高天原の主神

皇祖神

日本の総氏神



【御神徳】

国土安泰

福徳

開運

勝運

豊作





【別名】

天照大神

天照大御神

天照皇大神(あまてらすすめおおかみ)

お伊勢様

神明様

大日孁貴神(おおひるめのむちのかみ)

大日女尊(おおひるめのみこと)

大日霊(おおひるめ)

大日女(おおひめ)

皇大御神(すめおおみかみ)

天照坐皇大御神(あまてらしますすめおおみかみ)



【系譜】
  • 父 イザナギ

  • 母 イザナミ(日本書紀でのみ、古事記では誕生に関与していない)

  • 三貴子(イザナギ自身が自らの生んだ諸神の中で最も貴いとしたアマテラスを含む三姉弟の神)

    • 弟 ツクヨミ

    • 弟 スサノオ


  • 夫 なし

  • 五男三女神(アマテラスとスサノオの誓約の際に生じた神:三女神がスサノオの剣をアマテラスが口に含み吹き出し生んだ女神達、五柱の男神がスサノオがアマテラスの勾玉を口に含み浮き出し生んだ子)

    • 女神 多紀理毘売命(タギリヒメノミコト) - 別名:奥津島比売命(おきつしまひめ)

    • 女神 市寸島比売命(イチキシマヒメノミコト) - 別名:狭依毘売命(さよりびめ)

    • 女神 多岐都比売命(タギツヒメノミコト)

    • 男神 正勝吾勝勝速日天之忍穂耳命(マサカツアカツカチハヤヒアメノオシホミミノミコト)

    • 男神 天之菩卑能命(アメノホヒノミコト)

    • 男神 天津日子根命(マアツヒコネノミコト)

    • 男神 活津日子根命(イクツヒコネノミコト)

    • 男神 熊野久須毘命(クマノクスビノミコト)



【お祀りする神社】

皇大神宮 (内宮) (三重県伊勢市宇治館町)

班渓神社 (北海道芦別市)

厚別神社 (北海道札幌市)

廣田神社 (青森県青森市)

大日霊貴神社 (秋田県鹿角市)

天照皇御祖神社 (秋田県鹿角市)

天照御祖神社 (岩手県北上市)

伊勢両宮 (山形県鶴岡市)

青麻神社 (宮城県仙台市)

開成山大神宮 (福島県郡山市)

芝大神宮 (東京都港区芝大門)

阿佐ヶ谷神明宮 (東京都杉並区)

天照大神宮 (神奈川県横浜市)

伊勢山皇大神宮 (神奈川県横浜市)

中山神社(中氷川神社) (埼玉県さいたま市)

鎌数伊勢大神宮 (千葉県旭市)

大間々神明宮 (群馬県みどり市)

伊勢神社 (茨城県日立市)

太平山神社 (栃木県栃木市)

三社神社 (新潟県新潟市)

日枝神社 (富山県富山市)

大野湊神社 (石川県金沢市)

尾崎神社 (石川県金沢市)

神明神社 (福井県福井市)

天照皇大神社 (山梨県富士吉田市)

小川神社 (長野県松本市)

四柱神社 (長野県松本市大手)

大垣大神宮 (岐阜県大垣市)

神明神社 (岐阜県加茂郡八百津町)

熱田神宮 (愛知県名古屋市)

神明神社 (静岡県浜松市)

皇大神宮 (大阪府大阪市)

高浜神社 (大阪府吹田市高浜町)

西宮神社 (兵庫県西宮市社家町)

廣田神社 (兵庫県西宮市)

伊雑宮(三重県志摩市磯部町)

瀧原宮・瀧原竝宮(三重県度会郡大紀町)

坂田神明宮(滋賀県米原市)

日向大神宮(京都府京都市)

皇大神社(京都府福知山市大江町)

籠神社(このじんじゃ)(京都府宮津市)

檜原神社(奈良県桜井市)

日前神宮・國懸神宮(和歌山県和歌山市)

日御碕神社 (島根県出雲市)

今村宮 (岡山県岡山市)

山口大神宮 (山口県山口市)

伊野天照皇大神宮 (福岡県糟屋郡久山町)

天照皇大神宮 (佐賀県嬉野市嬉野町)

滑石太神宮 (長崎県長崎市)

新田神社(鹿児島県薩摩川内市宮内町)

幣立神宮 (熊本県上益城郡山都町)

中津大神宮 (大分県中津市)

天岩戸神社 (宮崎県西臼杵郡高千穂町)

榎原(よわら)神社 (宮崎県日南市南郷町)

普天満宮 (沖縄県宜野湾市普天間)

浮島神社 (沖縄県那覇市)

伊曽乃神社 (愛媛県西条市)

八倉比売神社 (徳島県徳島市)

皇太神社 (香川県高松市)

高知大神宮 (高知県高知市)

その他、各地の皇大神社 神明社と呼ばれる神社






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1 commentaire


yuji.hokenshi
25 nov. 2023

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